マカロニほうれん荘展に行ってみた


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中野ブロードウェイ2F、Animanga Zingaroで開催されている「マカロニほうれん荘展」に行ってみた。


(会場入口のパネルは撮影不可。これはブロードウェイ内のポスター。単行本1巻の表紙と同じビジュアル)

https://amp.natalie.mu/comic/news/279804
(こちらはコミックナタリーの記事)

6月3日までで水曜は休み。会場のBGMは原作者鴨川つばめ氏による選曲で各種オリジナルグッズなども販売されている。5月24日現在売り切れとなっているアイテムも多く、再入荷時期は未定とのことだった。会場には原画100点以上が展示されている。平日の午後にも関わらず会場は混雑していて、寄せ書き用に用意された壁面にメッセージやイラストを描いていく人も多い。扉用の一枚絵(タイトル文字は外されている)を見ていると、どれもこれも懐かしい。


(Thin Lizzy Live and Dangerousのジャケットをモチーフにした扉=右下があったとは知らなかった)

マカロニほうれん荘という漫画、たしか一冊目の単行本が出てから読んだような記憶がある。3巻くらいまでは読んでいたが、それ以降は読まなくなったので終盤ストーリー、作画ともメロメロになっていく様子はリアルタイムでは見ていない(あまりにひどくて収録できなかった回がいくつかあったそうだ)


(再版された文庫版を手に入れたが、版が小さくて物足りなくなり、チャンピオンコミックスの全巻セットをあとから買った)

マカロニほうれん荘については今はなき「BSマンガ夜話」でも取り上げられたことがあった。ゲストはROLLY寺西。

番組でも触れられているけれど、マカロニほうれん荘に出てくるロック・ミュージシャンはとくに前衛的、マニアックというわけではなかった。むしろ王道、当時のアイコンと呼べるような人ばかりが描かれていた。レッドツェッペリンはとくによく出てきたが、当時まだ小学生だった自分は「立ち読みした雑誌で見た変な服の人(龍柄のスーツを着たジミー・ペイジだったと思われる)が描かれているのだな」というくらいの認識しかなかった。とはいえ漫画にハードロック・ミュージシャンやパンク・ファッションがそのまま登場するというクロスオーバー感は、あの頃とても新鮮だった。ロックが何かまったくわかっていない子どもにもかっこよさだけは感じられたのだから、77年当時としては新しかったのだろう。


(SGダブルネックを弾くトシちゃん25才→左ページ)

マカロニ〜にはミリタリー(というより帝国陸海軍戦記映画か)、怪獣映画、任侠映画、ナンセンス、スラップスティックなど、さまざまなな要素が詰め込まれていて、その世界観は連載が進むにつれて海外童話(不思議の国のアリスなど)に大きく傾いていった。連載時の鴨川つばめが何を思い、どんな状況で漫画を描いていたかは「消えたマンガ家(太田出版)」シリーズのインタビューで読むことができる。このシリーズはのちに新潮OH! 文庫にも収録されたが、現在はいずれも絶版だ。

会場に展示されている原画のタッチ(線の入り抜きがはっきりしているところなど)など見ていると、やはり昔の絵だなあと感じる。でもまあそれは当たり前で、これは今から40年も前に描かれたものなのだ。圧倒的疾走感は単行本3巻くらいまでしかつづかなかったけれど、それでもこの作品が偉大だったことに変わりはない。その意味でマカロニほうれん荘という漫画、Sex Pistolsみたいだったなと思う。