『不屈館 瀬長亀次郎と民衆資料』
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昨年暮れに沖縄に行った際、『不屈館』を見学してきた。
瀬長亀次郎が残した遺品、資料などが収められている一種の資料館で開館は2013年3月。公式ウェブサイトはこちら。
http://senaga-kamejiro.com/
昨年観にいった映画『米軍が最も恐れた男 その名はカメジロー』で存在を知り、次に沖縄行ったときに行ってみようと思っていたのだ。
映画について書いたエントリはこちら。
場所はゆいレールの県庁前駅から歩いて15分ほど。Googleマップの情報には定休日が記載されていないが、毎週火曜日と年末年始(12/28-1/3)は休み。
龍柱の立つ通りを渡り、公園のなかを歩いていくと、ビルの一階に「不屈館」の文字が見える。
(公園は若狭緑地というらしい)
(不屈館入口の様子)
開館時間は10〜17時で入館は16時半まで。大人500円、大学生・高校生は300円。
10時すぎに行ったので館内にはまだ誰も見学者はいなかった。「映画はご覧になられましたか」と訊かれたので、はいと答えると「映画に収録しきれなかった映像ドキュメンタリーがあります。23分ほどですが、ご覧になられますか」という。というわけで液晶テレビの前に並ぶ椅子に座って、まずはドキュメンタリーを鑑賞。右側のショーケースには瀬長亀次郎が刑務所を出所したときに着ていた白いスーツが展示されている。カメジローは想像していたとおり、小柄な人だった。
ドキュメンタリーを観ている間に見学者がもう一人来館、係の人が同じビデオをもう一度再生した。その間に展示を観てまわった。カメジローが集めた各種資料、スクラップブックなどのほか(残念ながら経年劣化により閲覧不可)、市民、支援者から送られた葉書、手紙なども展示されている。関係書籍、DVD、グッズなども販売されており、細かく見ていくとかなり時間がかかる。
2度目のドキュメンタリー再生が終わると、こんどはJNNで放送されたテレビ番組が再生された。これも座って観てしまう。2時間くらいがあっという間に過ぎていく。
映画でも語られるエピソードだが、「不屈」はカメジローが好んで色紙などに書いた文字で不屈館の外壁にもカメジロー直筆の文字がそのまま刻まれている。だが、これは「不屈の人、瀬長亀次郎」という意味ではなく、「沖縄の人こそが不屈であり、その不屈の精神に敬意を表して書いている」とカメジローは語っていたそうだ。
(外壁に刻まれた不屈の文字はカメジローの直筆を写したもの)
個人的には正義のために徹底的に闘うカメジローという人は、どのようにしてできあがったのか、という点に興味があったのだが、これについてはあまり収穫はなかった。映画では母親から言われた「まっすぐに生きなければならない」ということばにしたがった、ということになっているのだが、それ以外にもいろいろと影響を受けたもの、人があったはずで、この点もう少し調べて勉強してみる必要がありそうだ。
紹介のために先ほど公式ウェブサイトをのぞいてみたら、現在不屈館では緊急企画展として「米軍機事故写真展」を開催しているらしい。写真は報道カメラマンの山城博明氏、期間は2/28まで。1970年の事故を中心に2018年1/6と1/8に不時着したヘリの写真もあるという。記念館、資料館の多くが単なる展示室になっていきつつあるなかで、カメジローの「不屈館」は生きてまだ抗議の声をあげ続けている。