たかがラゲッジタグとはいうものの
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スーツケースにベルトを巻く人は一時期よりも少なくなってきたように感じられる。ターンテーブルで自分のスーツケースを判別しやすくするというのがおもな目的で、壊れて開いてしまうのを防ぐとか(かつてはこっちがおもな目的だったような気もするが)単なるアクセサリーという人はあまり多くないようだ。
こうした感想をもつのはショルダーやローシーズンに海外へでかけているせいかもしれない。行楽シーズンや連休の時期に空港へ行ってみればスーツケースベルトはまだ全盛なのかもしれないが、それを確認するために連休の羽田や成田に行くのは御免である。だから「統計的事実」については、よくわからないままだ。
スーツケースベルトは好きではないし、意味のないステッカーを貼りまくるというのも避けたい。昔はスーツケースのハンドルにバンダナを巻いている人もいたが、あれもスマートとは言いがたい。あとスーツケース判別のために使える手段といえばラゲッジタグくらいしかない。ところがラゲッジタグというのは、探してみるとロクなものがないのである。
長期海外取材に出るときに使っていたのはSamsoniteのCosmoliteというスーツケース(容量はたしか94リットル)だが、これにはこんなラゲッジタグがついてくる。さすが純正品といった風情で愛想もなにもない。
純正品だから、他の人もこれを使う可能性は十分にあると考えておくべきだろう。昨年くらいからターンテーブルでCosmo Liteを見かける頻度もかなり高くなってきた。同じ色、同じサイズの人が何人かいてもおかしくないので、やはりラゲッジタグは何か他のものを使った方がよさそうだ。ということでつい最近まで使っていたのがモレスキンから出ているタグ。
仕事用のノートにずっとモレスキン(方眼のLサイズ)を使っていたこともあって、これにしたのだが、欠点がふたつある。まずスーツケースに留めるベルトが長すぎる。次にタグを閉じておくベルトがすぐに伸びて使いものにならなくなる(写真でもその様子がよくわかる)。
ベルトはどちらもノートと同じ黒いゴムベルトである。さらに言えば本体が厚紙なので、しばらく使っていると角などがくたびれてくる。そしてサイズが中途半端に大きい(結局欠点は4つだ)。
Amazonなどで「ラゲージタグ(日本語検索だとラゲッジではなくラゲージという表記が正しいらしい)」と入力して検索してみたが、ロクなものがない。昔雑貨屋によくあったファンシーグッズみたいなデザインのものが多い。プレーンなデザインのものもあるにはあるが、合皮だったり、いかにもビジネスといった退屈な雰囲気であったりする。
次善の策としてルイ・ヴィトンやTUMIのタグを流用する人もいるようだ。ヴィトンのタグは中古品がオークションなどで販売されていて、元オーナーのイニシャル入りというのもよく売りに出されている。使用目的を考えると他人のイニシャル入りタグでは意味がないし、タグだけヴィトンというのもさらに意味がないように思える。高級ブランドのタグなどつけておいたら逆に物騒なのではないか、とも想像する。
TUMIのタグは探してみたらウチにも一個あった。どこからどう見てもTUMIに見えない迷彩柄ボストンについてきたもの。
これもヴィトンと同じ理由でパス。
ヌメ革のラゲッジタグを探してみたらEtsyにこういうのがあった。刻印サービス込みで4000円ちょっと、プラス送料。ヌメ革好きとしては気になるところだが、このタイプはサイズ的に不便というマイナスポイントがある。(天面にあるハンドルにつけるとテレスコピックハンドルと干渉する)
https://www.etsy.com/jp/listing/63109497/personalized-luggage-tag-leather-luggage?ref=related-8
ここまで書いてきて思ったのだが、なぜハードタイプのスーツケースにはネームタグがビルトインされていないのだろう。バートンのダブルデッキはベルクロ留めのカバーをめくるだけで自分のネームタグが確認できる。
デルセーの機内持ち込み用サイズ(ソフトタイプ)は取っ手をつかんで上にスライドすると小さなタグが出てくる。あまり実用的ではないが、キャリーオンサイズなので、まあおまけのようなものである。いかにもフランス的でしゃれている。
さんざん悩んだ結果、米軍の認識票、いわゆるドッグタグをラゲッジタグの代わりに使ってみることにした。英語の大文字、小文字のほか記号も刻印してくれるショップがネットで見つかったからだ。これならメールアドレスも入れられる。価格は2枚セットで2000円、タグのまわりにつけるサイレンサーが1個100円。2個分で200円だから合計2200円。送料込みである。認識票のプレートは数タイプ、カラーも数種類から選べる。
質感などまったくわからないまま注文したのでハズレという可能性もなきにしもあらず。結果はまたいずれ。