FCOからローマ市内への行き方


トラベルブログで実用的な情報を書いている人を見るたび、なんてえらくてマメな人たちなんだろうと思ってきた。自分自身は旅先で切符の買い方とか、地下鉄の乗り方とか、絶対に写真に撮ったりしないタイプだからである。と言いつつ、困ったときには参考にしたりしているわけで、これでは申し訳が立たない(誰に対してだ)。

というわけで試しにローマ・フィウミチーノ空港(FCO)からローマ市内への行き方について書いてみる。

まずはタクシー。到着ロビーを出ると「タクシー乗りますか」という客引きが沢山寄ってくる。一応ライセンスらしきものを持っているのだが、どれが本物かなんてことは、もちろんこっちには判断が付きかねる。無視してタクシースタンド(タクシー乗り場)へ向かうのがよいと思う。

(ちなみにパリのCDG=シャルルドゴール空港の到着ロビーにも案内おじさんは多数いるが、この人たちはローマのおじさんたちよりも信用できるように思われた。トイレどこにあるの、と聞いたら親切に教えてくれた)

FCOからローマ市内までのタクシー料金は均一となっていて、公共交通機関、有料トイレ、コインランドリーなど、プラクティカルな情報に詳しいリック・スティーブスによれば、片道荷物込みで48ユーロとのことである。

シャトルバスもあるようだが、ローマの交通事情は最悪で渋滞に巻き込まれたらいつ市内に着くかは神のみぞ知る、といった様相を呈する。そんなとき確実なのはFCOとローマ市内のテルミニ駅を結ぶ通称「レオナルド・エクスプレス」だろう。所要時間およそ30分、片道料金14ユーロ。空港ターミナルと駅は隣接していて、通路がある。

駅に着くとこんな感じの券売機がいくつか並んでいる。

 

コイン、紙幣のほか、クレジットカードなども使える。表示言語を英語に切り替えることもできるので、英語さえわかればなんとかなる。

まわりには有人のチケットカウンターや券売所を兼ねたツーリストインフォメーションもあって、そっちに並ぶ人も多い。こんな感じである。

 

イタリアの駅前や駅中にはタバッキと呼ばれる売店があって、市内バス、トラム(路面電車)、地下鉄のチケットなどを買うことができる。券売機の使い方がよくわからない、クレジットカードを使うのは不安、高額紙幣しかもっていない、などの場合は、こっちへ行ってみるといい(高額紙幣は釣りがないといって突っ返されるかもしれないが)。売店のおっさんは、たいてい必要最低限の英語は話す。

さて、14ユーロ払ってもらった切符がこちら。ただの感熱紙プリントで、ちょっと拍子抜けする感じ。

プラットフォームの前には改札があり、QRコードをリーダに読み込ませると、プラスティック製の小さなドアが左右に開く(パリの地下鉄出口にあるのと、ちょっと似ている)。おおーと思ってそのまま電車に乗ってしまいそうになるのだが、チケットに打刻(バリデーション)するのを忘れずに。打刻する機械(写真下)はホーム手前のどこかにかならず設置されている(旧いものは黄色かったりもする)。

バリデーションは長距離バスの場合も必要。チケットを一番奥まで突っ込んで、しばし待つとジジッという音とともに時刻などが印字される。打刻忘れで車内検札があると、罰金を支払わなければならない。

 

レオナルド・エクスプレスは席指定がないのでスーツケース置き場にスーツケースを放り込んで好きな席に座る。車内にはコンセントもあるが、欧州Cタイプなので充電するなら変換アダプタは手荷物に入れておいた方が便利。

テルミニ駅の到着ホームは、以前ははるか遠く(ホーム数本分を歩いてようやく駅から出られる)だったのだが、数年前からほかの長距離電車などと同じ場所に変更になった。「The Layover」でレオナルド・エクスプレスを利用したアンソニー・ボーデインが悪態つきながらホームを歩いていたけれど、あれを観た関係者がこれはまずい、と思ったのかもしれない。なんにせよ便利なことはいいことである。