BoseのNCヘッドフォンに新型が登場


昨日の夜(北米時間29日)、Boseがノイズキャンセリング・ヘッドフォンのニューモデルを発表した。モデル名はBose Noise Cancelling Headphones 700といい、ネーミングと外観から判断するかぎり、長年の人気モデル「クワイエット・コンフォート」の後継機種ではない、ということのようだ。現行モデルのQC-35IIも当面、継続販売される。

価格は399.95ドル、北米Boseのウェブサイト、Amazon.com(こちらの価格はたしか390ドル)などではすでにプリオーダー受付中でデリバリーは6月30日を予定しているという。

ノイズキャンセリング・ヘッドフォンは自分にとっても旅の必需品で、おもに飛行機での移動時に使用している。ゴー、という背景ノイズがなくなると、疲労がかなり軽減される。

現在使っているのはイヤフォンタイプのBose QC-20だが、これは筐体自体が大きく重量もそれなりにあり、2時間以上使っていると耳が痛くなってくるという問題点があった。(あくまでも自分の場合)


(画像 via Bose公式ページ)

筐体の重量で耳が痛くなるのはDITAのイヤフォンAnswerなども同じである。で、QC-20の場合、ノイズキャンセリング性能には文句はなかったものの、この「長時間の使用で耳が痛くなる問題」と、もうひとつBose独自のイヤーチップ「StayHear」が今ひとつフィットしないという問題があって、これはやはりオーバーイヤータイプのヘッドフォンにするべきなのかな、と考えていたところだった(といいつつQC-20は5年以上使っているのだが)

その矢先の新製品発表で、むむ、これはと思ったものの、スペックをチェックしてみると新製品のいわゆる「売り」は、自分の必要とする性能とは、ほとんど関係がない。以下列挙すると、

ノイズキャンセリングのレベルをアプリで11段階調節可能
AmazonのAlexa、Googleアシスタント、Siriに対応
Bose AR対応
USB-C端子採用で急速充電に対応(15分の充電で3.5時間駆動可能)
バッテリー駆動は最大20時間

ほかにもマイクを4基搭載することで電話通話時の音質が向上しているらしい。物理ボタンがだいぶ省かれて操作はタップとスワイプ中心になったのだが、ヘッドバンドとイヤーピースの接続方法を見るかぎりでは操作面が狭く(イヤーカップのど真ん中をヘッドバンド下端が通っているのだから当たり前である)とくにスワイプがしにくいのではないかと思われる。

QC-35IIはコンパクトに折りたためて専用ケースに器用に収まるが、今回の700はヘッドバンドの折りたたみ機能はなさそうだ。となると付属のケースもQC35IIより大きくなる可能性が高い。


(参考画像 via Amazon.com)

今のところ6月末のHands-Onレビューを待つつもりだが、以上の理由で個人的に買うならQC-35IIという結論は変わらない。着け心地が快適で長時間使用に好適、物理ボタンで操作がラク、折りたたむとコンパクトなケースに収まる、バッテリー持続20時間は飛行機移動なら充分と、これだけのプラス要件があり、さらに700発売前後にプライスダウンされる可能性も大きいからだ。

QC-35IIの音質は(記憶するかぎりでは)中音域に寄ったオーディオ的にはあまりドラマ性のない音だった。とくに低音が出るわけでもないし、高音がキラキラするわけでもない。しかし機内の背景ノイズをキャンセルできて快適であればいい、という自分の使用目的からいくと、これも致命的な欠点ではない。

比較するならSONYのWH-1000XM3だろう。こちらは音質とノイズキャンセリング、USB-C端子での急速充電で高い評価を得ているものの、フィッティング、長時間使用の快適性ではQC-35IIに劣る、という意見が多い(あくまでもネット上では)。実際のところはどうなのか。とりあえず今度、都内へ行ったときに聴き比べてみようと思う。