ダン・ハートマン『KEEP THE FIRE BURNIN’』(その2)
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10代の頃「ブルー・アイド・ソウル(ソウルを演奏する白人系ミュージシャン)」のことを「ホワイト・アイド・ソウル」と言い間違えてしまうことが、ときどきあった。白人系のホワイトとブルー・アイド(青い瞳の)が頭の中で混ざってしまった結果なのだが、直訳したら「白眼ソウル」で、これはこれで面白い。何かのネーミングに使えないかと思っているのだが、残念ながらそういう機会はまだない。
前回のエントリではダン・ハートマンの音楽はディスコ系というよりもブルー・アイド・ソウル系と呼ぶ方がしっくりくるのではないか、という話を書いた。
ディスコの初期ヒットはソウル系ミュージシャンによるものが多く、ダンもそうした系譜に入るひとりだと個人的には感じられる。
ヒット曲「ヴァーティゴ」「リライト・マイ・ファイヤー」などを聴いていると80年代にヒットを飛ばしたイギリス系グループの曲とよく似たセンスを感じる。たとえばGo Westの「We Close Our Eyes」(85年リリース)
あるいはWaxの「Bridge to Your Heart」(87年リリース)
Waxのヴォーカルはアメリカ人のアンドリュー・ゴールドだが、ユニットのもうひとりは10㏄のグラハム・グールドマンでユニットとしてはUK発と言っても差し支えないだろう。ちなみにアメリカでの彼らは「Wax UK」と呼ばれていたそうだ。(アンドリュー・ゴールドは2011年に心不全で他界している)
もうひとつはLiving in a Boxの「Living in a Box」(87年リリース)
デビューアルバムのプロデューサーはリチャード・ジェームス・バージェスで、この人はキム・ワイルド、スパンダー・バレエなどを手がけた人。で、セカンド・アルバム「Gatecrushing」は誰がプロデュースしてんのと思って見てみたら、これが誰あろうダン・ハートマンなのだった。
アメリカのブルー・アイド・ソウルといえばホール&オーツだが、彼らもダンの「I Can Dream About You」をカバーしている。(こちらは2004年リリース)
というわけでブルー・アイド・ソウルで追っていくと、あちこちにダン・ハートマンの足跡が残っている。ダン自身はロック、ソウル、ファンク、ディスコ、ポップロックなど、さまざまなジャンルにまたがる曲を書いたが、本人はその違いをとくに意識していなかったのではなかろうか。どんな音楽がルーツにあったのか本人に訊いてみたい気もするが、もちろんそれはかなわない。