カタルーニャを嘲笑できるか


日付でいうと昨日、カタルーニャがスペインからの独立を宣言した。Youtubeには「Help Cataronia. Save Europe.」と題したビデオがアップロードされていて現時点で190万回以上再生されている。

「Help Cataronia. Save Europe.」のウェブサイトもあって、こちらは14言語に対応。

https://helpcatalonia.eu/help

Youtubeにはこのビデオを加工してパロディ化、あるいは揶揄するビデオもアップロードされていて、多いものでは30万回以上再生されているものもある。じつに情けないことだ。

日本にも冷笑的スタンスを自らのよりどころとする人たち(彼らのなかには思想家や学者、実業家も混じっている)がいるけれど、このカタルーニャの政治的選択のことも冷笑的態度であざ笑ってみせるのだろうか。きっと笑うだろう。しかし嘲笑から歴史は生まれない。

冷静に考えればカタルーニャの人たちはヨーロッパ各国首脳からも支持を得られておらず、最終的にはスペイン当局に制圧される可能性が高い(警察や軍が投入されるだろう)。「勝ち目がない闘いをするのは馬鹿のすること」「命あっての物種じゃないか」と言う人もいるかもしれない。しかし「ほらみたことか」「政府にたてついたって無駄なんだよ」と権力の側に立ってあざ笑うことは自分にはとてもできない。

チャンネル4の番組では活動家の女性が「私たちは民主的な手続きにのっとってことを進めてきたが、スペイン政府は一切の対話を拒んできた」「先行きが不透明なことはわかっているが、いまはカタルーニャの独立宣言を喜びたい」と語っていた。たしかにそのとおりで、この先にどんなエンディングが待っているのか、わかっている人間はどこにもいない。

10月1日の国民投票のように当局の介入によって、また市民の血が流されるかもしれないが、それを恐れていては何も変えることはできない。バルセロナの街路に集まった数千人の独立支持派は、独立宣言に喜びながらその覚悟を静かにしているのだと思う。

カタルーニャの独立宣言は日本がアメリカに対して日米地位協定破棄を宣言するようなものだ(あるいは沖縄や北海道が日本政府に対して独立を宣言するようなものかもしれない)。そう考えると、いかなる代償も厭わないという彼らの決断がいかに勇気あるものかがよくわかる。

日本では数百年かかってもできないようなことが、いまカタルーニャで起きている。ぼくらにできることは祈りつつ見守ることだけだ。