音質か操作性か、それとも両方か


このブログ、じつは「本と映画とiPod」というタイトルにしようかと、なんとなく考えていた。そしたらiPod nanoとiPod shuffleが生産中止になってしまったのだ(2017年7月27日)。唯一残ったiPod touchも値下げされた。これはよくない兆候である。
CNNの論調はけっこう悲観的だった。

https://www.cnn.co.jp/tech/35104940.html

そんなこともあって、ここのブログタイトルはちょっと変更されることになったのである。

iPodに手を出したのはデビューからかなり経ってからで、最初に買ったのはたしか5.5世代のiPod videoだった。購入のきっかけはHDDの容量が増え、これなら自分のCDライブラリを全部持ち歩くことができそうだ、と思ったからだ。当時、自宅ではCDチェンジャー付きミニコンポ、クルマではCDウォークマン→カセットデッキアダプタで再生という方法で音楽を聴いていたが、そのうちにCDホルダーをもってクルマに乗ることが億劫になってきた。あの頃持ち歩いていたCDホルダーに何枚のCDを入れることができたのか、もうすっかり忘れてしまったけれど、10枚とか12枚とか、それくらいの枚数だった気がする。

その後、MDが登場したときも同じ理由で長続きしなかった。聴きたいと思ったときに聴きたいアルバムのCDがないというのは、けっこうストレスを感じるものなんである。MDはダビングという手間も必要で、アルバム名を入力するのも面倒だった(ほとんど入力しなかった)。困ったことだね、と思いつつ、2000年代の前半は無音状態のままクルマを運転していた。

ラジオを聴けばよいではないか、という声が聞こえてきそうだが、じつはぼくはラジオ番組というものが苦手である。昔のアメリカのように各ジャンルの専門チャンネルがあって、ひたすら音楽を流し続けてくれればいいのだが、いわゆるトークというものに耐えられない。FM放送がとくにいけない。延々とトークが続き、ようやく音楽がかかったと思ったらFM局がプロモートする「ヘビーローテーション」だったりする。それで聞くのをやめてしまった(地上波テレビやBSも同じ理由で観なくなった)。

そうこうしているうちにiPodの容量が60GBを超えたという報が届く。Appleのウェブサイトを見てみると60GBモデルの場合、約1万5000曲入ると書いてある。リッピングのレートは128kbpsで計算してあるらしいが、軽く調べてみたところでは外出時に聴く程度なら充分な音質であるらしい。使い始めたときはiTunesがまだギャップレス再生に対応していなかったのだが、間もなくアップデートで実装された。

ウォークマンが大容量、カセットテープ交換不要になって戻ってきたようなもので、こうなると音楽のない外出など考えられない。自分では音楽離れをしたと思っていたのだが、そうではなかったということもよくわかった。「音楽ライブラリを全部持ち歩きたい」というニーズに応えてくれる製品、サービスがなかっただけなのだ。

 

その後は数年おきに最大容量のiPod Classicを入手し、並行してiPod touchやiPhoneも使っていたのだが、2014年秋、ついにiPod Classicが生産中止となってしまった。HDDが故障したらどうすればいいのだ、なんて心配をしていたら、HDDの故障よりも先に160GBのHDDがいっぱいになった。

iPod ClassicのHDDがいっぱいになることは目に見えていたので、先手を打って(というか打ったつもりで)Astell & KernのAK120を試してみたりもしたのだが、本体メモリ64GB、64GBメモリ2枚挿しで容量192GBになるのはいいとして、ライブラリがメモリごとに分散表示される、という仕様には閉口した。

全メモリカードに入っているファイルをスキャンしてライブラリの一覧リストが作れる、とマニュアルには書いてあるのだが、その肝心のスキャンがかならず途中で止まってしまうのである。ただし音はいい。単体で聴く分にはiPodなどよりはるかに高音質だった。

やはりiPod Classicをなんとかしなければならない。
容量を増やすいい方法はないかと調べてみると、iFlashというメーカーがiPod ClassicのHDDをメモリカードにコンバートするキットを販売していることがわかった。カードスロットは1つから最大4つまで。どのキットも40ドルくらいで販売されている。コストパフォーマンスとのバランスでメモリスロットを2つ装備したiFlash Dualを使ってみることにした。

128GBカードを2枚挿しすれば容量256GBとなる。OSその他で多少容量は食われるが、それでも240GBくらいは使えるだろう。実際にインストールしてみたところ、使用可能な容量は237.5GBだった。現在使用しているのは165GBなので、まだまだ余裕がある。バッテリーさえ交換してやればメイン基盤がお亡くなりにならないかぎり、しばらくは使えそうだ(その前にスクロールホイールがいかれそうな気もするのだが)。パーツがなくなる前にバッテリーとスクロールホイールは新品交換しておいた方がいいかもしれない。

インストールしてみての感想としては

1.HDDがなくなったことで本体がかなり軽くなった
2.消費電力が減ったことでバッテリーが長持ちするという触れ込みだったが、バッテリーそのものが劣化しているらしく実感はなし
3.音が少しだけすっきりしたような気がする。ただしD/Aコンバータの性能もあり、単体での音質はそれなり(これは元々の性能)
4.ライブラリの閲覧性はiOSには劣る(これも元々の性能)

といったところ。まもなく登場するiPhone 8は最大容量256GBらしいが、アプリ、写真、データなどを入れると音楽データがどれくらい入るか微妙なところだ。Xは最大容量512GBなどと予想されているが、いかんせん価格が高すぎる。世の中、なかなかうまくいかないもんである。

(追記)ストリーミング・サービスを利用すればすべて解決するのでは、というのは今の時代における正論なのだが、ライブラリのうち半分くらいはストリーミング・サービスにラインナップされていないと思われる。マイナーなアーティストや古いアルバムが多すぎるのだ。

Appleのサービスを信用しているわけでもなく、自分のライブラリをアップロードするような勇気はさらに持ち合わせていない。やはり音源は自前で持ち歩くしかないのである。