機内持ち込みのバッグひとつで旅ができたらどんなにいいかしれないが、ラップトップPCとDSLR、レンズ数本を持ち歩くとなると重量オーバーは免れない。だったら30Lクラスのスーツケースを預け入れにして、そっちに着替えその他を入れればよいのでは、という話は何度か書いた。
国内旅行で機内持ち込みにしているのはSamsoniteのWinfield 2(写真上)だが、これは数年前に改訂されたヨーロッパのキャリーオンサイズには対応していない。国内便でもじつはサイズオーバーだが、JAL、ANAといったキャリアは大目に見てくれるので、とくに問題になったことはない。一度だけ外寸を測られたことがあるけれど、そのときも何も言われなかった。外寸の合計寸法が許容範囲内だったからかもしれない。LCCだったらまずアウトだろうと思う。
小さめのスーツケースを預け入れにした場合、機内持ち込み用バッグは20〜25Lくらいが適当だろう。DSLRのボディとレンズはこんな感じのインナーケースに入れて持ち運べばいい。
(画像 via Amazon。 HAKUBA カメラバッグ インナーソフトボックス 300 取り外し可能なフタ付き KCS-39-300OR)
カメラ機材にラップトップPC、身の回り品だけなら15L程度のバッグでも用が足りそうだが、なにしろ預け入れのスーツケースが小さいので荷物が入りきらなくなったときのことを考えるとある程度の余裕がほしい。といいつつ昨年秋の旅行では容量15L程度の2ウェイトートでもなんとか用が足りたのだが、重量が重くなってくるとショルダーバッグを持ち運ぶのはけっこうつらい。バックパックはあまり好きではないが、肩も凝るし腰にもくるしで、背に腹はかえられないのである。
25リットルを目安に探すと、もっとも評判がいいのはTom Bihn(トム・ビン)のSynapse 25という製品であるらしい。このバッグのことを語ってもらうならチェイス・リーヴスをおいて他にないだろう。
このバッグ、とにかく荷物が入って使い勝手がよさそうだ。理由は外ポケットがすべてメインコンパートメントの外側についているため。この構造のおかげでメインコンパートメントに荷物をたくさん入れても外ポケットが圧迫されることなく、すべてのスペースを容量いっぱいまで使うことができる。ウォーターボトルは前面上の中央部分に専用スペースが用意されているが、これは左右どちらかに重量が偏らないための工夫だという。
唯一にして最大の問題は見た目のデザインがダサいこと。カラーバリエーションもかなり微妙でバッグ・レビュワーのBo Ismono(ドイツ在住)も「いいことはわかってるんだけど、どうしても使う気になれない」みたいなことを書いていた。まったくそのとおりだと思う。
他にはないのかと思って探してみたところ、AerのDuffel Pack 2.0というのが条件に当てはまりそうだということがわかった。
(Hang Tight with Marcieのレビュー)
Aerというブランドはミニマル・デザインが売りなのだが、どの製品もどこか一ヵ所「?」と思わされるところがある。たとえばこのダッフル・パックの場合、底部に靴を入れるコンパートメント(仕切りがあって別室になっている)があって、ここに靴を入れるとメインコンパートメントの真ん中を靴が占有することになるのである。むろん、ほかの荷物が非常に入れにくくなる。(これはActiveコレクションの他モデル、TravelコレクションのTravel Packも同じ)
元々ジム・バッグとしてデザインされたコレクションだが、デイリーキャリーや機内持ち込み用として使うには都合が悪い。靴を入れなければ普通に使えるじゃないかという意見もあって、それはそれでひとつの見識ではあるが、だったらこのコンパートメント自体余計じゃないかという気もする。
と思っていたらAerはWorkコレクションという新しいシリーズを出したらしい。ラインナップを見てみるとTech Packというのがよさそうだ。レビューもぼちぼち上がってきている。
見た目ミニマル&シンプルモダン、テックオーガナイザーやラップトップPCの収納スペースもあってウォーターボトルホルダーも外側についている。チェスト・ストラップも標準で付属する。唯一の欠点は16.6Lと容量がやや小さめだということくらいか。チェイス・リーヴスもレビューしている。
チェイスの結論はDay Pack(容量15.4L)で充分ということのようだ。メインコンパートメントにラップトップ用ポケットがあるから別にもうひとつは必要ない、スーツケースのキャリア・ハンドルを通すループが使っているうちに破れてきそうだ、といったあたりがチェイスが指摘するネガティブポイント(Cons)で、さらに言えば価格が一気に75ドル上がってしまう点もマイナスだと思う。(Day Packは125ドル、Tech Packは200ドル)
世の中にバックパックあまたあれど、デザイン、機能ともにこれだ、というものにはなかなか巡り合わない。なかなか難しいもんである。