トスカーナで観光客に一番人気の街といえば、おそらくフィレンツェ(英語ではフローレンス)だろう。このエリアにはピサ、ルッカ、アッシジなどといった街もあるが、多くの人はフィレンツェから日帰りツアーなどで行くことが多いようだ。シエナもそんな街のひとつである。
ところでシエナは各都市からのアクセスがあまりよくない。電車で行くこともできるが時間がかかり、多くの場合乗り換えが必要になる。おまけにシエナ駅は街の一番下にあるので、まずエスカレーターで丘の上まで上がらなければならない。エスカレーターの数は8本だか9本だか忘れたが、所要時間はおよそ6分半ほど。そこから旧市街まではさらに歩くか、市内バスに乗らなければならない。
(via Youtube)
FCOから1日に数便高速バスも出ているのだが、一番速くて安いのはフィレンツェからバスに乗っていくという方法だと思う。
(deniscallanのリポートはスタイリッシュじゃないけど丁寧でいつも感心する。わかりやすいし)
案外わかりにくいのがフィレンツェのバスターミナルがある場所だ。
1.電車でフィレンツェSMN駅まで来た場合、線路を背にして右方向の出口へ進む。
2.駅を出ると階段があり、右にタバッキ(売店)、目の前には路面電車(トラム)のターミナル駅がある。駅名は「ALAMMANNI STATZIONE」。
3.トラム駅の右側と左側に横断歩道があるので、路面電車の向こう側へ渡る。そのまま左方向(方角でいうと南南東か)へ進む。
4.右手に見えるビルに沿うようにして道なりに右方向へ。
5.すると駐車場の入口が右手に見えてくる。上には「AUTOSTAZIONE」とあり、その左にはTRENITALIAと同じマークでBUSITALIAと書いてある。
なんとこのなかがバスターミナルになっているのだ。
https://goo.gl/maps/aGa3Wia7b2k
(Googleストリートビューのリンク)
ターミナルのチケット売り場は左奥にあって窓口は3つ。2つしか開いていないこともままある。時間帯によってはけっこう並ぶので10分、15分後のバスは乗れないこともあると思っておいた方がいいだろう。シエナまでの料金は2017年10月現在1人7.8ユーロ(片道=Oneway)。往復(=Round Trip)で買うこともできる。座席指定なし。
電光掲示板で時刻表をチェックして「Rapida」という快速バスに乗ること。これだとアウトストラーダ経由でシエナまで約75分で着く。
乗る前には例によって刻印機でバリデーションしなければならないが、同じ機械はバスの中、運転手のすぐ横にもある。高速道路を走るので立ったままの乗車はできない、とどこかで読んだのだが、実際に利用したときには立ったままの乗客がけっこういた。このあたりはイタリアで、わりといいかげんである。(車内での検札はちゃんとあるのでチケットのバリデーションは忘れてはいけない→高額の罰金を払うはめになります)
降りるバス停はリック・スティーブスの本には「ピアッツァ・グラムシ」とだけ書いてあるのだが、実際にアナウンスされるバス停の名前は「Siena Tozzi」であった。
https://goo.gl/maps/F8MaN8kBh4F2
(Siena Tozzi=Googleマップへのリンク)
イル・カンポ(カンポ広場)まではここから歩いて約15分ほど。
バスターミナルの地下がチケット売り場になっていて荷物を預けたりもできるのだが、チケットはバス停そばのタバッキでも買えるし、荷物は宿泊したホテルに頼めばチェックアウト後も無料で預かってくれる。
フィレンツェ行きの時刻表はTozziバス停にある電光掲示板で確認できるが、バスが止まる場所は「大体このへん」というエリアでしか表示されない。向こうの方に止まっていたバスがじつはフィレンツェ行きということも十分あり得るので、バスのフロントスクリーン上にある電光掲示を確認するか(といっても5分前くらいまで行き先が出ないことも多い)運転手とおぼしき人に「これ、フィレンツェ行きですか」と訊くのをおすすめする。
(ヨーロッパの長距離バスはアナウンスや案内など一切ないのが普通。こっちで見つけて乗りこまないと平気で置いていかれる)
シエナは日帰りで行く人が多いようだが、夕方から夜にかけての雰囲気がとてもよいのでせっかくなら1泊、できれば2泊くらいすることをおすすめしたい。シエナの人たちは夕方19時くらいになると、そぞろ歩き(パッセジャータ)を愉しむ。その人波にまぎれて散歩するのも悪くない。