昨年末のセールでオーダーしたAer Travel Pack2だが、DHLによるパッケージロスト、USPSによる微妙な遅配(西海岸からシカゴまで10日ほどかかり、その間行方不明)を経て、ようやく届いた。受け取ったのは1月末なので、注文からひと月ちょっとかかった計算になる。梱包はHuckberryのプラスティックバッグだけという、いつものとおりのシンプルさだった。
Evergoods CPL24ではなく、Travel Pack2を選んだのはPeak DesignのEveryday Sling 10Lと望遠レンズ、EDC(Every Day Carry)をいっぺんに持ち運びたいという理由からだった。33Lくらいの容量があれば、考えている用途に合うだろうと思ったのだ。(CPL24は容量24Lで、上記の用途にはちょっと足りない)実物を入れてみると、こんな感じである。
3倍以上の容量違いがあるようにはとても見えないが、実際こうなのだから仕方がない。バッグ・イン・バッグとして使うには5Lくらいがいいところという話もあるし、このサイズのスリングバッグを入れるなら最低でも45Lクラスのバックパックでなければ無理、という話なのかもしれない。
ほかのエントリで何度も書いているように、マキシマム・キャリー・オン・サイズと称して販売されているバックパックの多くは欧州の航空会社、とくにLCCでは機内持ち込みできない可能性が高い。サイズがクリアできたとしても重量制限に引っかかる可能性がある(カメラ機材やラップトップなどがあるため)。
個人的にはキャリー・オン・サイズの上限はAer Travel Pack2(35L前後)くらいで、これに入りきらない場合は22インチ・クラスのローラーラゲッジ(スーツケース)を預け入れにした方がなにかとラクではないかと思う。一方、手荷物がTravel Pack2のみ、なおかつカメラ機材も持ち運ばなければならないとなればカメラインサートを使うのが、もっとも現実的な解決法だろう。
写真はハクバのインナーソフトボックス400という製品で、外寸はW260×H170×D150mm。24-105mmレンズを付けたままのEOS 6Dを入れると、それ以外はほとんど何も入らない。とはいえ、小さめの望遠レンズくらいならバックパックのどこかに入るだろう。着替えなどは残ったスペースに入れることになるが、パッキングキューブを使い、枚数も日程半分くらいに留めれば、1週間くらいの旅行ならなんとかなると思われる。(日程の中ほどでコインランドリーに行くという、いつもの作戦である)
Travel Pack2を使うパターンはふたつ考えられる。ひとつは22インチ・クラスのローラーラゲッジと組み合わせるというもので、これはおもに海外旅行など長期の旅行用。バックパックとローラーラゲッジを足した容量は65Lくらい。もうひとつはTravel Pack2単体、もしくはEveryday Slingと組み合わせて使うというもので、これは1週間くらいまでの国内旅行、とくに歩いて移動することが多い場合。こちらの合計容量は43Lといったところである。
(スーツケースと組み合わせたとき、寸法的にバランスが取れるのは80Lクラス以上だと思われる。写真はサムソナイトの94L)
ちなみに歩いて移動する距離が少なく、かつ撮影機材を持ち運ばないとき(カメラマンがいるときの取材出張などがこのパターン)は、ローラーラゲッジ+ボストンバッグでも、ローラーラゲッジ+トートバッグでも充分用が足りる。
理想を言えば、カメラインサートだけでなくEveryday Slingも畳んでバックパックに入れてしまいたいが、うまいこと収まるかどうかは、まだ試していないのでわからない。バックパックに入りきらないとなればバッグをふたつ持ち運ぶことになるが、この際、考えられるパターンは3種類あって、ひとつは「バックパックを背負ってスリングバッグを手に持つ」、もうひとつは「スリングバッグを背負ってバックパックを手に持つ」、そして最後が「ショルダーストラップを長めにしたスリングバッグを身体の前にもってきて、その上からバックパックを背負う」となる。
バックパックをふたつ持って旅行するバックパッカーが、身体の前に小さなバックパックを抱えて歩いているのをよく見るが、三つめのパターンは、これの変形バージョンである。簡単便利ではあるが、個人的にはちょっと避けたい気もする。で、もうちょっとうまい手はないかと考えているうちに、いいことを思いついた。Travel Pack2にショルダーストラップを付けたらどうだろうか。
Travel Pack2にはふたつDリングがついていて、そのうちのひとつは側面上側にある。だが、もうひとつのDリングは左側のショルダーストラップについていて(サングラスやカラビナを引っ掛けることを想定しているのだろう)ショルダーストラップをつけるには適さない。いろいろ調べてみた結果、モリー・システムのバックルが使えそうだということがわかった。コンプレッション・ストラップやショルダーストラップ下側のウェビングが、モリー・システムと同じ1インチ幅だったからである。
押っ取り刀で調べてみたところ、グリムロックという製品がよさそうである。Amazonで4個セットが598円。素材は強化プラスチックで1インチ幅のウェビングに差し込んで固定する。ロック付きのバックル構造なので、フック代わりにものを引っ掛けることもできる。
ショルダーストラップはボストンバッグ用を流用してもいいのだが、Peak Designのアンカーリンクを使って一眼レフ用ストラップSLIDEを付けられるようにしてみた。脱着がワンタッチでできるというのがアンカーリンクのメリットである。アンカーの耐荷重は約90kgあるので、コードが切れるより先にグリムロックかDリング、もしくはバッグ本体の縫製の方が音をあげるのではと予想する。
SLIDEと組み合わせるとこんな感じ(写真下)。バックパックをダッフルバッグ的に持ち運ぶことになり、本末転倒という気もしないではないが、こういうのは実際に使ってみないとわからない。案外使えるか、やっぱりダメだった、になるかは、次回の旅行でわかると思う。